米関係の仕事が一段落と藤原正彦氏の記事

bunshirou2006-10-05

ああ、風邪ですわ。秋の取り入れが終って疲れが出たのかなぁ。鼻水が止まりません。やれやれ。
昨日今日と作業所の中を整理し掃除をして、また大豆の収穫がはじまると車庫に豆をひろげて干して乾燥させるので、コンバインやら田植え機やらトラクタをあちこち移動させて場所を確保したりしてました。田植え機は半年ぶりにエンジンをかけたら、バッテリーはあがっているし、ガソリンはわずかしか残っていないし、エンジンの回転が落ち着かないし・・・。コンバインはあちこち外せるところは外して、動噴で風を送って埃や残っている籾を吹き飛ばして掃除。今日の午前中に農機をなんとかきちんと収めて終了。ほっと一息というところです。


日本農業新聞」に『日本の進路 農の視点から』という連載記事が今日から始まって、今日は数学者の藤原正彦氏の記事が載っていました。要約すると、


「日本にとってもっとも大事なことは「品格」を取り戻すこと。今の日本は、利益損得しか考えていない米国流の経済至上主義に染まってしまった。だから品格ある国の象徴たる美しい田園まで荒れ始めている。
損得勘定だけなら、農地をつぶして工業を盛んにしたほうがいいことになる。だが百年単位の長期的視野で考えれば、これはまったくの間違いである。
明治政府は美しい情緒に満ちた江戸時代を否定し、戦後は文化伝統歴史から情緒まで日本の過去を全部否定してしまった。そして今は市場原理主義を徹底した小泉改革で地方を切り捨て、この国を野卑に狂わせている。
目先のそろばんだけをはじいている国民、政治家、官僚もマスコミも売国奴というほかない。
数学者は本質しか興味がない。だから本質だと見極めたことは言う。美しい田園は本質だ。日本が大損しても、日本人の給料が半分になっても、農家を保護してこの美しい田園を保たなければならない。明治維新の頃来日した欧米人は、日本の自然田園の美しさに驚きガーデンステートだと絶賛したものだ。
日本人は卑怯なことをしない「惻隠の情」を取り戻さなければならない。日本は獣の論理の市場原理主義の間違いを諭し、世界を救うべく、品格ある「孤高の国」であるべきだ。」


ちょっと強引な要約ですけど、ベストセラーになった『国家の品格』の趣旨にそった内容の記事です。でも品格は大事です。大事にしなくてはいけないとわかっているのですが、これがなかなか難しい。胸を張るというか、背筋を伸ばすというか、そういう姿勢ではいたいのだけれど。風邪ひいて背中丸めて鼻水をすすっているようではあきませんな。そういえば新田次郎に『孤高の人』というのがありましたな。