『意味がなければスイングはない』読了

よく知っているミュージシャンもそうでない人もいたけれども、おおむねいつものなじみの文体で、すんなり読めました。あとがきにも書いてありましたが、音楽を文章にするのは大変な作業でありましょうし、最初、シダー・ウォルトンブライアン・ウィルソンのところでは、音楽を文章化する時の力みみたいなものもありましたが、スタン・ゲッツのあたりから少し力が抜けてきた感じ。昔、開高健が食味を文章にすることの大変さを説き、ほんとものすごくその味を楽しませてもらいましたが、村上春樹も頑張っています。
やっぱり取り上げられている音楽の中では、スタン・ゲッツブルース・スプリングスティーンがなじみもあり、うなづけるところもたくさんあってよかったかな。「ステレオサウンド」に連載されていたのは知らなかったけれど、この本のことを知った時、グレン・グールドが取り上げられている予感がすーっとしたんだけど取り上げられていませんでしたね。
ゼルキンルービンシュタインですか。面白かったけど、どこかでグールドについてもゆっくりじっくり読ませて欲しい。
というわけで、次は『東京奇譚集』へ。あ、MacPeopleも届いたので、これもながめなくちゃ。