WTO上限関税が通れば稲作が崩壊

そういえば、世界貿易機関WTO)農業交渉がもめていることをあんまり日本のマスコミが報じていないということを先日書いたのだが、今日の日本農業新聞のトップ記事はWTO農業交渉で合衆国などのグループ(農産物輸出国)が求めている上限関税が通れば稲作が崩壊すると九州大学教授の分析です。もっとも厳しい米国提案の上限関税75%が万一通れば、米国。タイ、中国などから米が約620万トン輸入されるようになり、国内の生産は290万トンに激減して、米の自給率は32%になり、米の価格は一俵(60kg)5000円程度(現在は16000円ほど)に暴落する、というもの。
いやはや、こうなったら日本で米は作れないですな。農業は成り立たなくなります。たぶん。
日本は猛反対しているということですが、最終的にどうなりますことやら。でもこういう状況をきちんと報じないマスコミもいったいどうなっているのでしょう。

で、もって昨日の一面のトップ記事は、「世界の米の在庫が30年ぶりの低水準」でした。米国農務省の世界の農産物需給予測によると期末在庫率は15.5%で食糧危機だった74年75年の水準になるということでした。
世界の米生産は品種改良や感慨施設の拡充、「緑の革命」を背景とした面積あたりの収量の増加と作付け拡大で、右肩上がりで増えてきたけれども、90年代後半から鈍化。米の在庫が増えたため中国やインドがほかの作物への転換を進めたため在庫率が急減したらしい。
しかしアジアの主要市場の米価格はこの春から大きな動きはなく「米の需給不安はないと市場が判断している証拠」という指摘もあるようだが…。しかし需給変動による逼迫の危険性は高まっているわな。こういうのは米の生産者にとってはビジネスチャンスなのか?いやはや。