池澤夏樹『母なる自然のおっぱい』読了

面白かったです。刺激的。人間とは何か、ってことに尽きるのでしょうけれど。人間は増えすぎてしまったし、地球の中の循環というか命の調和ということで言うと一人勝ちで傲慢すぎるし。とはいえ、先日読んだ『サウスバウンド』にも出てきたけど、人権保護や環境保護を声高に言い立てるのも何か違うんじゃないかって思うし。
でも終末に向かっているというのは間違いないことですね、このままでは、もう。
自然環境の中に身をおいてみれば、抜群の知性をもつ人間(ああ、なんて素晴らしいこと!)ですが、人間だけが地球の生き物の中で特別すばらしいわけではないということがよくわかります。精緻で精巧で不思議な自然のしくみ。めぐる命のつながり。そのなかで僕は米を作らせてもらおう。あんまり悠長なことをいっている時間はないみたいだけど。