オコナイさん

bunshirou2006-02-13

昨日は湖北地域のオコナイさんでした。オコナイさんのいわれはいろいろあるみたいですが、滋賀県の湖北地方独特の風習の神事です。各村々、大字ごとでいろいろなやり方があるのですが、近年は合理化というか、簡素化されてきています。もともとは豊作、五穀豊穰を願うということで農家の冬の農閑期の楽しみにはじめたのものなんでしょうが、地域に住む人のほとんどが農家だった時代ならともかく、田んぼの広がるこのあたりの地域でも専業農家が2%、3%しかいないという状況になってくると、平日に各家の世帯主が仕事を休んだりして朝からお宮さんに集まって式典に参加し、その後昼間からおおいに飲むなんてことは、なかなかできなくなってきます。それでこのあたりでも昔から2月の14日と決まっていましたが、2月の第2日曜日に変更されました。

天気は良かったけど八幡神社での式典では風が冷たくて冷たくて。神主さんも寒かったからでしょうか、式典は30分ほどで早めに終了し、その後はオコナイ宿でお神酒を頂き、懇親会へ突入。朝まだ10時だというのに、杯を回してご馳走をいただきました。ご馳走といっても、昔はオコナイ宿とその隣近所の五軒組というかお手伝い当番で料理の準備もしたそうですが、10年ほど前からパック料理になっています。

今年はお手伝い当番の年ですので、お酒の燗をしたり、お酒をついだり、杯をまわす(これもこのあたりに今だに残っている酒席の文化で、最初は杯をとらしたり、お流れをいただく、といった殿様とその家来の酒宴のようなことだったのでしょうが、今では相手にたくさんどんどん飲んでもらうために、自分の杯を相手にまわしてお酒をつぐという接待のための習慣になっています。杯を相手に回すと、必然的に杯が還ってきて、酒をついてもらうわけですから、自分もたくさんどんどん飲むということになりますが)とりもちをしたり、というようなことをして、たくさんお酒をいただきました。農業を専業としてやっていこうとしている僕にとってはありがたい風習なのですが、だんだん簡素化されてきているのは少し寂しい感じもします。

今朝は酒が残ってしんどいということはなかったですが、朝の食卓にでたちりめんじゃこがなんともうまかったのでした。二杯酢の簡単なものですが、ごはんももりもり食べられました。